糖尿病講座

4.糖尿病Q&A

 

糖尿病について                                                        

  
Q1. 糖尿病になったら一生治らないのでしょうか?
     また、お薬は一生のまなければいけないのでしょうか? 
A1例えば,肥満の人は肥満を解消し生活習慣を改める事により血糖値がどんどん下がり,健康な人と同じような状態に戻す事ができます。しかし、その後もしっかりと治療を続けていかなければ、すぐ元に戻ってしまいます。そういう意味では、しっかり治療していれば、一生治ったと同じ状態を保つことができる病気と言えます。お薬にも同様のことが言えます。お薬は血糖の状態に応じて処方しますが、血糖がよくコントロールされてくれば、強い薬から弱い薬になり、うまくいけば薬もなしで食事、運動療法のみですむようになります。あくまでも基本は一に食事、二に運動、三に薬です。
  
Q2. 糖尿病の食事療法に甘いものはダメですか? 
A2.  大切なのは、総カロリーです。ですから甘いものに限らずご飯、脂肪分、たんぱく質、アルコール類などの総カロリーが問題です。要は品目を多く摂りながら、全体量を減らすことが肝心です。
  
Q3. 糖尿病の合併症として目、腎臓以外に何がありますか?  
A3.  自律神経の障害が大事です。立ちくらみ(起立性低血圧)、便秘(腸の神経がやられる)、発汗異常(汗の調節ができなくなる)、インポテンツなどがあります。
 
Q4. 私は検診で空腹時血糖が300mg/dl以上あると診断されまだ治療を受けていないのですが、血糖値を下げるために運動してもいいでしょか?
A4.  極端な高血糖の状態で運動すると血中のぶどう糖が全然利用できないため、筋肉、脂肪を分解してぶどう糖をつくろうとする結果、筋肉や脂肪がそぎ落ち血液が酸性に傾き(アシドーシス)非常に危険な状態になります。ある程度薬物、食事療法で血糖値が適正な状態におちついてから運動療法をする事が大切です。つい先日も血糖値が400mg/dl以上あって、前日にフルマラソンを走ったという方が初診で来られましたが,こういう事はやめて下さい。
  
Q5. ある日突然糖尿病になるのでしょうか?
A5.  糖尿病は、皆さんが想像しているより、ある程度急速に発症します。膵臓はからだ全体に必要なインスリンを出すのですが、体重が増えてその限界に達した時に急にへばります。そこで、一気に血糖の上昇がおこります。すなわち、直線的に糖尿病になっていくのではなく、緩やかに糖尿病の準備段階があり、ある段階から急激に進行していきます。ところが治療により、血糖値を適正な値にもどし膵臓を休めてあげるといったん出なくなった膵臓のインスリンを出す機能は、また回復していきます(一部のインスリン依存型を除けば)のでご安心下さい。
 
糖尿病ののみ薬Q&A                                                      
  
Q6. 甘いものをあまり食べないのに「糖尿病」と言われました。どんなものを食べていると糖尿病になるのですか?
A6.     糖尿病の発症には食事も関係しますが、あくまで量の問題で、何を食べるかはあまり問題ではありません。ただ、砂糖のように消化管で素早く吸収される糖質は、急激な血糖上昇を招くため、多くとっていれば、糖尿病になりやすくなります。
  

Q7. “糖尿病が治る民間療法がある”と聞きましたが、効果はあるのでしょうか?

                  

A7.    さまざまな民間薬、健康食品などが出回っていますが、糖尿病を治す効果を実証されたものはありません。過剰な期待をして本来の治療がおろそかになったり、不当に高額なものを買わされたりしないように注意してください。治療に影響することもあるので、主治医に必ず相談してください。
  
Q8. 薬をのみ忘れてしまったときは、食前にのむ薬を食後にのんでもよいのでしょうか?
A8.    薬の種類にもよりますが、SU剤であれば、食後30分以内なら、のんでかまいません。ほかの薬の場合は、のむのをやめたほうがよいでしょう。薬ののみ忘れは、できるだけ防いでください。予防のため、食卓に薬を置いておくのも一つの方法です。また出勤時に持参するのを忘れることもあるかと思いますので、職場にも置いておくとよいでしょう。 
  
 Q9. 腹痛などで食事がとれないときも、糖尿病の薬をのんでよいのでしょうか? 
A9.    食事をとらずに経口血糖降下薬だけのむと、低血糖になるということが日常よくあります。ですから、食事ができないときは、薬の服用はやめておいたほうがよいでしょう。しかし何日も薬を休むのはよくありませんので、食欲不振が続くようなら、医師にきちんと診てもらい、早めに治しておくようにしてください。
  
 Q10. 糖尿病の薬をのみ続けていると、だんだん効かなくなって、インスリン注射が必要になると聞きましたが、本当ですか?
A10.  薬がだんだん効かなくなる「2次無効」の多くは、食事療法や運動療法がきちんと行われていないとか、ほかの合併症が現れたことなどを原因としています。 ただし、長期間にわたって薬を使っていると、インスリンの分泌が低下してしまうことがあります。それにより、薬で血糖値を下げられなくなったら、インスリン療法に切り替えてほしいと思います。 
  
Q11. 薬はきちんとのんでいるのに、血糖値が下がりません。薬が効かない人もいるのでしょうか? 
A11. 病状と薬とが、合わないこともあります。主治医に相談して、合う薬を見つけることも必要です。  なかには、2型(インスリン非依存型)のようでいて、ゆっくりと進行する1型(インスリン依存型)の糖尿病もあります。このタイプでは、インスリン療法が必要になります。
 
インスリン療法Q&A                                                           
  
Q12.  昼食は職場でとるので、食前30分という注射の時間がなかなかとれません。
もしインスリン注射を忘れてしまったら、どうすればよいですか。
A12.     忘れてしまったら食事の直前、あるいは食後になってもかまいません。食前にインスリンを8単位打っている人は、食後なら6単位にするなど、量を調節するとよいでしょう。 インスリン療法も、食事療法や運動療法と同じで長期間行うものですから、ある程度、臨機応変に構えることも必要です。忘れたら、次でうまく補う、と余裕をもちましょう。 
  
Q13.  一人暮らしの母が、インスリン注射を勧められたようです。日ごろ、「細かいものが見にくい」と言っているような高齢者でも、安全にできるものでしょうか。  
A13.      視力を完全に失った患者さんのなかにも、自分でインスリン注射をしている人はたくさんいます。今は注入ボタンを押すだけで、決まった量のインスリンが出てくるペン型注射器があるので、目が不自由な人でも安全に注射することができます。
  
 Q14.  インスリン非依存型といわれていたのに、インスリン注射を始めるように勧められました。1度インスリンを使い始めると、ずっと注射に頼らずにいられなくなるのではないかと心配です。
A14.     医師からインスリン療法を勧められたということは、もう膵臓が疲弊して、経口薬で刺激しても十分インスリンが分泌されていないということです。無意味な治療を続けて、膵臓をとことん疲弊させてしまうと、インスリンを一生使わざるをえなくなるので、タイミングよくインスリン療法に踏み切ることが大切です。 逆に、膵臓に余力が残っている段階でインスリン療法を始めれば、また膵臓が元気を取り戻し、インスリンを分泌するようになる可能性は大いにあります。そうなれば、また経口薬に戻すこともできます。 
  
食事療法Q&A                                                                
  
Q15. 適正エネルギー量の指示を受けましたが、平日は昼も夜も外食が多く、あまりエネルギー計算ができそうにありません。
A15.    食事記録をつけて、医師や栄養士に見せましょう。そして食事の傾向をチェックし、改めるべき点を指摘してもらったり、こういうものは半分残せばよいなど、おおよその目安のつけ方を教えてもらうとよいでしょう。
  
 Q16. 指示されたエネルギー量を守っていますが、元気がなくなり、力が出なくて、何をするのもおっくうです。食事療法で体力が落ちたりしないのでしょうか。
A16.     患者さんの活動量などにより必要なエネルギー量は違ってきますが、こうした訴えは、精神的なものであることも少なくありません。いずれにしても足りないと感じるなら、主治医に相談しましょう。医師は、血糖のコントロール状態や食事記録などを見たうえで、食事量の調節をしてくれるはずです。 
  
 Q17. 「食事の間隔を規則正しく」と言われましたが、仕事の都合で、夕食がどうしても遅い時間になってしまいます。
A17.      食事の間隔が大幅にあいてしまうときは、クラッカーやおにぎりなど、食品交換表の表1に分類されている食品を、1単位程度つなぎにとっておいて、夕食をその分減らすようにするとよいでしょう。 
  
Q18.  独り暮らしの老親が、食事指導を理解しにくいようです。やさしく食事療法できる方法はないものでしょうか。 
A18.     宅配の糖尿病食などを利用して、量を感覚で覚えてもらうというのも1つの方法です。また高齢の人の場合、g数で言ってもピンとこないので、「米を2合炊いて、それを3等分して食べる」というように本人のわかりやすい言葉で教えておくなど、手助けしてあげるとよいと思います。ふだんよく食べる食品の目安量を、紙に大きく書いて張っておいてあげるのもよいでしょう。 
運動療法Q&A                                                                                   
   
Q19. 体重はほぼ標準体重ですが、肥満でなくても運動療法は必要ですか?
A19.  運動療法の目的は、肥満解消だけではありません。糖代謝が改善されて血糖コントロールがうまくいくようになりますし、血圧や血中脂質にもよい影響を及ぼします。さらに、老化防止や健康増進といった幅広い効果も期待できますから、たとえ肥満していなくても、運動療法は行ったほうがよいのです。
   
Q20. ハイキングなどで長時間運動した日は、食事の量を少し多めにしてよいでしょうか? 
A20.  消費エネルギーが多くなっているのですから、その分は多めに食べても問題はありません。量は「少し多め」という程度と考えればよいでしょう。インスリン注射や経口血糖降下薬を使っている人は、ハイキングのような長時間の運動を行うときには、低血糖を防ぐための補食を準備し、血糖が下がり過ぎる前にとるようにすることが大切です。

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