PPI抵抗性GERDの治療戦略

2011年01月20日(木)

済生会中津病院の蘆田潔先生による「PPI抵抗性GERDの治療戦略」を拝聴した。
テレビでGERD(逆流性食道炎)の宣伝が流れ、この病気の認知度が高まった。
しかし、PPI(プロトンポンプ阻害剤)が効かないGERDもある。
GERDにはPPI。
もはやこれは、常識。
常識になるまで10年もかかったが。

NERD(非びらん性GERD)が、増加している。
むしろこちらの方がメインだ。
もちろん、これにもPPIが有効。


Q では、PPIは、いつ飲めば一番合理的か?

A 
朝食後ではない。
朝食1時間飲めば一番効く。
欧米では、食前に飲むのが常識。

日本の常識は世界の非常識。

寝る前に飲むと酸を抑制されない。
食事が入って来てもプロトンポンプは効かない。
寝る前にPPIを飲むのは、完全な間違い。

これがH2ブロッカーとの大きな違い。
PPIは、食事により非競合的にプロトンポンプに結合する。
3日間結合して、酸の分泌を抑える。


Q 通常量のPPIでは治らないGERD(抵抗性GERD)には、どう投薬するのか?


2倍投与(倍量投与)が、行われる。
2錠1回で飲むより、2回に分けた方が、より酸が抑えられる。
すなわち、朝、夕食前飲む。

高度なGERD(グレードCD)には、倍量投与が行われるが、
このことを忘れてはならない。

抵抗性NERDには、倍量投与でも効かない症例が多いことが問題になっている。


Q H2ブロッカーの眠前投与追加はどうか?

A 
これは、「推奨度C」と、あまり高くない!
海外ではあまり使われない。
NAB(Noctarnal Acid Breakthrou)が起こっている。

現在、GERDにおけるヘリコバクター感染率は50%。
ピロリーがいないと、酸が逆流しやすい。
PPIは、酸に弱い。

PPI投与中のNABには、H2ブロッカー眠前投与を。

ただし、H2にはトレランスがある。
1週間で効かなくなる。
この辺が悩ましい問題。

H2は初日はいいが、1週間でトレランスが起こる。
逆にPPIは、効果減弱はあまりない。

従って、やるのであれば、PPIの倍量投与になる。

抵抗性は、GERDより、NERDが多いのも意外だ。
PPI抵抗性NERD患者さんの4割は、胆汁逆流による。
しかし、25%は、酸も胆汁も逆流していない!!!

これを「機能性胸やけ」と言う。
若い人に多く、結構厄介な問題だ。

NOn-Acid-related Intraesopageal stimula

「食道伸展刺激」に対する感受性が胸やけの原因になることがある。
ゲップが上がってくる時の、伸展により痛みが誘発される。
PHモニタリングの適応になる。

Q ピロリ除菌後のGERDはどの程度考慮されるべきか?

A 現在、除菌後にGERDが増加するという説は否定された。
  ピロリ菌を除菌しても、そう胃がんは減らない。
  ただし子供のピロリ(10%)は、積極的に除菌はすべき。

結論。
●PPI投与は、朝食前か、夕食前がいい!!
●倍量投与を考慮すべき。
 (機能性胸やけもあるので、効くとは限らないが)
 実際は、NERDへの倍量投与はやりにくい。

大変、貴重な講演であった。
















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この記事へのコメント

私は医師からタケプロンを朝食後に飲むように指示されているのですが、どうも効かないようで症状が落ち着きません。朝食1時間前の飲むようにするのがベストでしょうか?

Posted by てつ at 2011年08月10日 05:03 | 返信

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