ピンピンコロリの末期がん

2010年01月28日(木)

昨夜も末期がんの方を一人、看取らせて頂きました。1年間に及ぶ闘病生活の果てに強い意志を持って選んだのは在宅医療。たった3週間でしたが、身内にご挨拶や遺言も残されました。集まった沢山のご家族の顔には涙とともに笑顔がありました。爽やかな深夜でした。午前診の最期に、1ケ月前に亡くなった末期がんのご家族が挨拶に来られました。この方の在宅期間はわずか2週間でした。この間、結構元気で食べて動けてピンピンしていました。49日法要が済んでも奥さんの悲しみはまだ相当です。でも、弱ったのは最期の2日間だけでした。昨年看取った20代の末期がん女性などは、ピンピンしながらも突然亡くなりました。末期がんでも「ピンピンコロリ」はあるのです。

末期がん患者さんは、徐々に弱っていく人もいれば、直前まで比較的元気な人もいる。一人一人みんな違います。あと、1ケ月と思っても、1日で亡くなる人、1年生きる人。平均すると全国どこの在宅医でも約40日です。

看取りと言うと末期がんが多いのですが、在宅患者さんは、非がんが圧倒的に多いのです。
がんと非がん。両者の特性は対照的です。在宅期間が40日と年単位。衰弱していく勾配が全く違います。在宅患者さん大半は、非がんですが、看取りの大半は末期がん。末期がんの在宅は嵐のように短期間で終わります。看取りが続くとさすがにスタッフの心も落ち込みます。そんな中、和ませてくれるのが、非がんの患者さんです。入退院を繰り返す場合も多くあります。入院する意味がありそうなら入院する。そうして延命を図りながら、もはや入院してもダメと感じたら家での看取りになります。
 

ピンピンコロリが理想形と言われますが、末期がんでもそれに近い形も存在するのです。

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この記事へのコメント

長尾 先生
 ブログ見ました。「 医の倫理 」ということばを久しぶりに思い出させてくれました。
 「呑気に町医者をやっている自分がはずかしい・・・」なんてとんでもない!地域医療の最前線を担っておいでです。尼崎市という地域性にもナイスマッチだと思います。市長もきっと注目しておいででしょう。
医師会って医師全員が会員だと思っていました。
最近 医師って素人の患者に治療方針を決めるようにいう医師がいますよね。そのようの場合長尾先生の存在ってクライエントにとって強い味方ですよね。大学病院のDrがはっきり言わないのは、アメリカ的にすぐ訴訟とかになるケースが多いからでしょうか。なんかアメリカンナイズされすぎーですよね。患者もモノ言えるということも大事やけど 日本的なものの見方、考え方を忘れている感があります。
先生の<青春>しているスタンスいいですね。これからもわたしの住む甲子園からは少し遠いけれどお世話になりたいですね。

Posted by 元 公子 at 2010年02月14日 05:18 | 返信

元 公子さま
長尾です。
コメント、ありがとうございます。
「医の倫理」は、患者さんとの信頼関係があってはじめて言える言葉だと思います。
昨今の情けないインフォームドコンセントを見ていると、何かおかしいと思います。
もっともそうなったのも、訴訟社会の結果なのですが・・・
開業医全員が医師会員ではありません。尼崎では95%以上ですが、大阪の中心地では
50%くらいのところもあると聞いています。
医師会は天下の悪の代表のように言われていますが、実にすばらしい地域での活動を
しています。私自身も沢山、貢献しているつもりです。
全員入会できるような医師会にするように、発信していますが
実際は困難です。しかし私は諦めていません。
医師会としての公益活動こそ医師の仕事だと信じているからです。

Posted by 和 at 2010年02月21日 11:14 | 返信

>ピンピンコロリ

どうせ亡くなるなら、やっぱりこのほうが理想ですね・・

Posted by 匿名 at 2011年06月25日 11:44 | 返信

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