「木を診たら森も診る!」日本を代表する心臓カテーテル医が実践する予防医学とは、「もうひとつのDES」

2010年01月16日(土)

昨夜は小倉記念病院の横井宏佳先生の講演を拝聴しました。日本を代表する心臓カテーテル医が今、追い求めているものは「予防医療」でした。毎日毎日、動脈硬化で詰まった血管を治療しながら「どうやったらこんな治療をしなくていいようになれるのだろう?」と彼は考えました。私も一時期、毎日のように大腸ポリープを内視鏡的に切除しながら、「どうやったらこんなポリープができないようになるのだろう?」と考えていたのと同じです。

そして、毎年何十ものポリープが生えてくる患者さんに、あるNSIDというお薬をポリープ予防薬として何年間か飲んで頂きました。するととても興味深い結果に辿りました。ポリープの数が年々減り、形が平坦になってきました。この事実を学会で発表したら沢山の質問が飛んできました。少し脱線しましたが、昨夜の勉強会では、あらためて予防医療の大切さと病診連携の在り方を学びました。

「大阪大学第2内科で始まったメタボ研究を私は横で見ながら育ちました。そして尼崎では野口緑保健師による特定検診制度とともに過ごしています」と乾杯の音頭で挨拶しました。メタボ概念、メタボ健診には深いご縁を感じます。今後はメタボ健診と医療機関の連携をさらに模索したいと思いを新たにしました。

講演の最後にとても意味深なことを教えてくれました。アメリカには病診連携はほとんど無いそうです。機能分化が進みすぎて、専門医と一般医(GP)の連絡はほとんどなく、両者は相当にドライな関係です。日本で現在行われている病診連携は、まだ種々の問題が指摘されていますが、世界的には例を見ない素晴らしい制度であるようです。病診連携委員長として大変嬉しい、夢のあるお話でした。「木を診たら森も診る!」横井先生はまさに森も診れる大変珍しい専門家でもありました。

以下、講演の要旨です。(医療者向けです)

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●糖尿病(DM)を診たら、必ず負荷心電図を!
 カテーテル治療患者(PCI)を診たら、糖負荷試験(OGTT)を!

●HbA1c5.4%でもOGTTをしたら2時間値が212で立派な糖尿病だった。そしてCTによる冠動脈検査をしたら、プラークが一杯詰まっていた。プラークは徐々にではなく、オデキが破裂するようにある日、一気に破裂して心筋梗塞を発症する。インスリン抵抗性が不安定プラークをもたらしている

●ACSでPCIをした患者さんの48%が睡眠時無呼吸症候群(SAS)であった。
 夜間の心筋梗塞(AMI)はSASの人。これは突然死の原因。
 昼間のAMIはSAS以外の人である。

●脳卒中の2/3がDMである。AMIも同じ。

●メタボを診たら全身の血管を精査すべき。CAD+CVA+PDAの時代である。

●心臓カテーテル治療(PCI)は、薬剤溶出性ステント(DES)の時代である。
 しかし、もう一つのDESを決して忘れてはならない。それは
D=Diet
E=Excise
S=Stop smokinng である。
 

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